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違いを知って賢く活用!クラウドファンディング5つの種類

違いを知って賢く活用!クラウドファンディング5つの種類

 

クラウドファンディングとは何か、ざっくり理解出来たら次はそれぞれの種類の違いについて学んでいきましょう。

クラウドファンディングには、寄付型・購入型・貸付型・ファンド型・株式型の5種類があります。

 

社会貢献したい人が集まる「寄付型」

寄付型は、資金調達者がインターネット上で募金し、出資者は寄付をしてそれで完結。という非常にシンプルな仕組みです。
 
リアルな世界の募金と同様、プロジェクトは復興支援・障がい者支援・途上国支援・貧困や虐待からの救出、など社会貢献の意味合いが高い内容になっています。
リターンを期待しないので、出資者に金銭的なリスクは特にありません
 
デメリットとしては、国・地方公共団体・NPO法人に対して寄付を行った場合は、「寄付金控除」といって減税の恩恵を受けられるのに対し、クラウドファンディングは寄付金控除の対象となっておらず、減税されないケースがほとんど、ということが挙げられます。
 
寄付型クラウドファンディングサイト、JAPANGIVINGでは、寄付金控除対象となるプロジェクトにはその旨が明記されているのでチェックしてみましょう。
 
また、残念ながら本来の目的以外に資金が使われてしまう可能性もゼロではありません。寄付を行う際は、寄付金を募っている団体がどのようなものか、クラウドファンディング以外のサイトでも充分に調査してから寄付を行いましょう。

 

アイディアパーソンとアーリーアダプターが集まる「購入型」

購入型では、出資の見返りに新しい商品・サービスを受け取れたり、イベントに参加できたりします。一般消費者には最もわかりやすい動機付けがなされているクラウドファンディングです。
日本国内において、プロジェクトの件数が最も多いのがこちらの購入型です。
 
購入型と言っても、途中でプロジェクトが頓挫する可能性や、約束の期日通りに商品やサービスが完成しないリスクがあります。それでも敢えて出資しようという人はかなりの「新しモノ好き=アーリーアダプター」です。
 
アーリーアダプターは、新しいものが好きなだけではなく、使用した商品やサービスをソーシャルメディアなどで紹介するのも好きです。従い、企業にとって購入型における出資者は絶好の広告塔なのです。
 
有名なのが、スマホを鍵として使えるツールを開発するための資金を購入型クラウドファンディング「Makuake」で集めたキュリオ社の事例です。キュリオ社の代表は、資金調達に困ってクラウドファンディングを利用したのではないと明言しています。
 
消費材メーカーでは、店頭で商品の購買動機をリサーチし、その結果を元にさらに改良を重ねるなどのマーケティングを行っています。クラウドファンディングではそうしたマーケティング手法をweb上で完結できるのが大きなメリット。
 
Makuakeは、資金調達者への手厚いサポートによってシェアを大きく伸ばしてきています。2013年頃は、購入型クラウドファンディング市場はREADYFORとCAMPFIREが2強と呼ばれていましたが、2015年9月にはMakuakeがCAMPFIREのシェアを抜き業界第2位に浮上しています。
 
資金調達者は、新しいアイディアや技術を持っていても、それを魅力的に伝えるのは得意でないことが多くあります。せっかくの素晴らしいプロジェクトも、プレゼンテーションが悪ければクラウドファンディングサイト上の多数のプロジェクトに埋もれてしまいます。
 
それを支援するのがMakuakeのサービス。プロジェクトをより魅力的に紹介し、支援者が集まりやすいページ作りの工夫を行い、多くの出資金を集めることに成功しています。

 

高利率が魅力!「貸付型」

貸付型クラウドファンディングの場合、寄付型や購入型とは異なり、どんなプロジェクトに投資しているのかは出資者にはわかりません。従い、新しいモノへの興味でクラウドファンディングを行いたい人には向かない形態です。銀行などよりも高い利回りで資産運用をしたい人向けのサービスです。
 
貸付型クラウドファンディング事業者は、出資者から集めた小口現金でファンドを作り、そのファンドから複数の企業やプロジェクトに対して貸し付けを行い、利息を得ます。例えば貸付型クラウドファンディング大手の「Crowd Bank」では、「飲食店海外進出支援」「上場企業事業拡大支援」など、複数のプロジェクトの集合体と思われるファンドが作られ、支援金を募っています。
 
審査や管理業務などが銀行などの金融機関と比較し簡便であるため、それらの業務に充てるコストを安く抑えられ、コストカットできた分を出資者の利息に還元できる、というのが貸付型クラウドファンディングの特長です。
Crowd Bank では2016年6月現在、予想年間利回りを5.2%としています。

 

プロジェクトを応援しつつ利回りを期待「ファンド型」

貸付型とファンド型は、しばしば「金融型」として一緒に語られていますが、その中身は全く異なるものです。
大きな違いは2つあります。
 
①ファンド型の場合、出資者はどんなプロジェクトに投資しているか把握できます。
②貸付型は融資なので基本的には利息がつきますが、ファンド型の場合はプロジェクトの売上に応じて分配金が支払われる仕組みなので、売上が足りなければ分配金がもらえない可能性もあります。
 
配当に加えて、商品やサービスを獲得できるプロジェクトもあり、その点は購入型と似ています。
また、ファンド型における出資者はあくまでプロジェクトの「支援者」という立ち位置なので、プロジェクトに対して意見することはできません。
 
ファンド型の代表的なサービスは「セキュリテ」です。ホームページは、購入型クラウドファンディングと一見区別がつきません。一般消費者向け商品・サービスを展開するプロジェクトと出資特典がメインにアピールされています。
 
購入型と異なるのは、商品やサービスを購入して終わりなのではなく、契約期間が数年間定められており、その間の売上金額によって分配金が受け取れるという点です。
セキュリテでは、「ファンド情報」という項目に、詳しい事業計画と分配シミュレーションが掲載されているので内容をしっかり確認しましょう。
 

「株式型」クラウドファンディングの解禁

これまで日本国内では、出資のリターンとして未公開株を渡すことが禁止されていましたが、2015年に改正金融商品取引法が施行されたことで解禁されました。それが「株式型クラウドファンディング」です。
 
出資している対象が明確で、売上に応じて分配金をもらえる点で、株式型はファンド型と似ていますが、株式も受け取れる点が大きく異なります。
また、ファンド型が特定の「事業」に対して投資を行うのに対し、株式型は「企業」に対して出資し株主になるので、出資者はプロジェクトを行う企業に対して意見をすることもできます
 
株式型クラウドファンディングにおいては、未公開株が上場されれば多額の利益を上げられるメリットがある一方、株式が売却できない・企業の倒産により株が無価値化するなどのリスクがあります。
 
規制緩和されて間もないこともあり、日本国内において株式型クラウドファンディングサービスを提供する企業はありません(2016年6月現在)。
 

まとめ

クラウドファンディングと一口に言っても、それぞれの種類によってメリットやリスクが全く異なります。
 
クラウドファンディング初心者ならまずはシンプルな購入型がおすすめ。プロジェクトの将来性を分析し、魅力的な事業を発掘して大きなリターンを得る楽しみも求めるならファンド型がおすすめです。
 
将来的には、ハイリスク・ハイリターンな株式型クラウドファンディングの登場も期待でき、今後ますますクラウドファンディングサービスの動向が注目を集めそうです。