企業において、web担当を任されている人にとっては、自社ホームページの集客力向上はいつも頭の痛い課題でしょう。
営業担当者からは、自社ホームページがなかなか検索結果にヒットしないから集客に苦戦しているんだ!などと責められて困っているweb担当者も多いのではないでしょうか。
SEO対策はちゃんとやってるのか!?などと言われてしまうことも。
SEO対策(Search Engine Optimization)とは、検索結果の上位に自社ホームページを表示させるための取り組みのことです。
SEO対策を請け負っている事業者は数多くあり、どの事業者を選ぶかで費用対効果は大きく変わってきます。
優良な事業者を選ぶためには、web担当者としてSEO対策の基礎知識をしっかりと学んでおくことが重要です。
GoogleやYahooといった検索エンジンは、ページの順位付けのアルゴリズムを日々進化させています。
SEO対策も、そのアルゴリズムの進化に合わせて変わり続けてきました。
昔は、検索結果の上位に表示されるサイトは、他サイトに多くリンクが張ってあるサイトでした。
たくさんのサイトから参考にされているサイトほど、有用なサイトだろう!と判断できるという考え方のもとでできたアルゴリズムです。
この頃は、そのアルゴリズムに対応するため、「被リンク対策」といって、とにかくリンクを張ってもらう数を増やすことを目的としたSEO対策が主にとられていました。
このようなSEO対策が主流になると、「このサイトがいいからリンクを張ろう!」と他サイトに認識されて地道に被リンクが増えていく優良サイトよりも、お金を払ってリンクを大量に張ってもらうことができるサイトのほうが、内容は悪くても上位表示されるようになってしまいます。
検索エンジンとしては、利用者がよい情報にたどり着けることが最大の目的ですから、このような方法で上位表示できてしまう事態は改善する必要がありました。
Googleは、2003年以降、質の悪い被リンクによるSEO対策を行っているサイトを検索結果の上位から排除し、優良なコンテンツを上位表示させるためのアップデートを度々行ってきました。
Googleの検索アルゴリズムのアップデートは、毎回何らかの名前を付けられ、発信されています。
2003年に初めて発表したアップデートの名前は「ボストンアップデート」。その後、「カサンドラアップデート」や「フロリダアップデート」など数多くの被リンク対策への対抗策と言えるアップデートを繰り返してきました。
最近のアップデートで有名なのは「パンダアップデート」「ペンギンアップデート」「ハミングバードアップデート」です。
2011年に発表された「パンダアップデート」は、質の良いコンテンツを上位表示させるためのアップデートでした。このアップデートにより、SEO対策のためだけに作られた意味のないサイトや、広告ばかりのサイトが軒並み検索結果の下位に転落していきました。
このアップデートにより、検索結果の約12%に変動が起きたといわれています。
2012年に発表された「ペンギンアップデート」は、「キーワードスタッフィング」という手法を取り締まるものでした。
キーワードスタッフィングとは、SEO対策用のキーワードをwebページにたくさん埋め込む方法です。
閲覧しているページ内だけでなく、ソースコードなどの見えないところにもキーワードは埋め込むことができます。
今見ているページ上のどこでもよいので右クリックしてみてください。
「ページのソースを表示」という項目があります。この項目をクリックすると、webページを作っているソースが現れます。
ソースの中に「meta name」から始まるコードがあります。こういったコードの中に大量にキーワードを埋め込むというSEO対策がかつて行われていましたが、「ペンギンアップデート」によりこのような方法が取り締まられるようになりました。
2013年に発表された「ハミングバードアップデート」は、利用者の利便性をより高めるためのアップデートでした。
このアップデートにより、検索している人の気持ちを読み取った検索結果を返すことができるようになりました。
つまり、検索したキーワードから、検索している人にとって役に立つ関連するキーワードを予測して結果を返すというものです。
例えば「東京 食べる」と検索してみましょう。すると、「東京グルメ」というタイトルのページが初めに表示されます(2016年5月時点)。「東京グルメ」というタイトルには、「食べる」というキーワードは含まれていないにもかかわらず、食べることに関連するので上位表示されるのです。
このように、最近のアップデートは、利用者がより有用なサイトにたどり着くことができるように行われているため、SEO対策も必然的に「被リンク対策」や「キーワードスタッフィング」のような機械的なものではなく、コンテンツを充実化させる方向に変わっているのです。
SEO対策には、大きく分けて3つの方法があります。
このうち、①のコンテンツの充実は、先の項目で説明した通り、検索エンジンに有用なサイトだと認識してもらうために最も重要な施策になります。
②の外部対策とは、被リンクを増やすことを指しており、かつて主流になったSEO対策のことです。外部対策は現在のアルゴリズムでは効果が低いうえ、スパムと認定されるとペナルティを受け一気に表示順位が落ちてしまう危険な方法です。
そして、ここで説明する③の内部対策は、①のコンテンツの充実と合わせて非常に重要な施策です。
例えば、すごく役に立つ情報が満載で分厚い書籍があったとして、その書籍に目次もなく、どこに何が書いてあるかわからなかったとしたらそれは便利な本とは言えないですよね。Webサイトも同じことで、サイトの構成がわかりにくければせっかく質の良いコンテンツがたくさんあっても、良いサイトとは認識してもらえないわけです。
サイトの構成をわかりやすくすることはそう難しいことではありません。
ポイントは次の二つです。
当たり前のことのようですが、意外とできていない場合が多いのです。
①については、webサイト閲覧者が見たい情報にすぐたどり着けるように、複雑な階層化は避け、トップページを筆頭にせいぜい3階層までに抑えることがおすすめです。
②については、次の項で詳しく説明します。
キーワードを不自然に埋め込むことはペナルティの対象になりますが、そのページが、キーワードに関連しているページであるということをわかりやすく表示することは大切なことです。
ページ内のコンテンツをわかりやすく整理するのに重要なのが「見出しタグ」です。
どのwebサイトでもよいので、再度「ページのソースを表示」してみましょう。
h2などのタグが見つかるかと思います。これが「見出しタグ」です。
webサイトは、書籍とは異なり始めから終わりまでじっくりと読まない場合も多いです。
スクロールをして、パッと目に入ってきたときに興味を引く見出しの項目だけ読む場合もあるので、見出しの設定は非常に重要です。
見出しタグには、上位表示されるための適切な使い方というのがあります。
一つは、ページのタイトルには必ず、h1タグを使用し、キーワードを含んだタイトルにすること。
もう一つは、文章を大見出し・中見出し・小見出しと入れ子の構成にしたうえで、数字を小さいほうから順に使うことです。
これはSEO対策というだけでなく、文章構成の基本でもあります。
初めにそのコラム全体を表す「大見出し」と、コラムの導入文または内容を抜粋した文章を書き、その後中見出しや小見出しで話の内容をどんどん掘り下げていくという書き方です。
現在は、お金をかけて被リンクを多数集めてもSEO対策の効果はそれほど出ないばかりかペナルティの対象にもなる、ということは前の項で説明しましたが、そうはいっても被リンクが全く必要ないというわけではありません。
ニュースや読み物の記事の途中で挿入されているリンク先のサイトを見ると、記事の内容がよりよく理解でき、別の面白い情報に巡り合うことも事実です。
つまり、リンクが張られるということは、有用なサイトであることの一つの判断基準になるということになります。
では、どのようにしてスパムと判断されずにたくさんの被リンクを獲得すればよいのでしょうか。
それにはやはり良質なコンテンツを作るしかありません。
「面白い」「役に立つ」「感動する」コンテンツを作って、たくさんの人に拡散されることが何より大切です。
SEO対策は、一度業者に頼んでしまうと任せっぱなしになってしまいがちです。
成果が上がらなくても、業者から「きっちり対策しています!効果が出るまでには時間がかかります!」などと言われてしまえば発注者としては何も言うことができないですよね。
中には、お金だけもらって何もしないという業者がいることも事実です。
SEO対策とは何か?を発注者側が理解することで、やるべきことがキチンとなされているかをチェックすることができます。費用対効果を高めていくために、SEO対策の中身についてはしっかり押さえておきましょう。