最近レスポシブデザインを含む様々なデバイスへの最適化が増え、特にモバイル表示に重きを置くサイトが増えています。
例えばGoogleが発表しているモバイルフレンドリーのアルゴリズムであったり、今回記事にとりあげる「amp」を含め、モバイル端末でのユーザビリティを評価対象にして検索上位表示させる動きが標準化しつつあります。
その背景にはモバイル端末でできるサービスや機能の充実からなるモバイル市場の活性化があげられます。
パソコンを持ち歩く人はそう多くはありませんが、スマホなどの小型モバイルデバイスは殆どと言って良いほどの方が持ち歩いています。
近年のネットサービス市場の発展に伴い、「いつでも・どこでも・だれでも」使える個人が所有する「パーソナルメディア」への情報配信はB2C市場ではマストと言えます。
便利になればなるほど利用者が増え続け、近い将来、モバイル端末がなければ生活がなりたたない時代が来ることは間違いないでしょう。
現在、スマホのアクティブユーザーは若者がまだ中心ではありますが、現在のプレシニア・アクティブシニア層(リタイア前の60歳までを前提)でもモバイルでのインターネット利用経験者70%に上ります。
この背景を考えれば必然的に、10年後には殆どの年代の方がモバイルを使っているであろうと予想しても過言ではありません。
既にビジネス層においては社内ツールとしてモバイルがなければ情報共有などの連携ができないのが現状です。
年配の上司であっても社内のコミュニケーションツールは使えないと部下に指示すらできません。
また、ビジネスの経験から派生して、ネット利用が増える年配者の方も多くいます。
PCとスマホでは役割が異なりますが、消費ビジネスを考えれば利用シーンやユーザー母数で見てもPCはスマホにはかなわないと思われます。
そんなモバイル市場の活性化を確立させるため、Googleも技術革新を続け、随時アルゴリズムをアップデートさせ、視聴ユーザーへ有益なコンテンツを届ける事を念頭に置いています。
サイト運営者はこのような検索エンジンの意向を組みとり、常に検索エンジン側の進化についていかなければなりません。
そのためには利用者(閲覧者)のためになる情報でなければ市場の活性化ができないと言う気持ちを理解しながらコンテンツ作りを心掛けましょう。
では今回の「amp」とはどのような仕組みかみてみましょう。
AMP(Accelerated Mobile Pages)とはGoogleとTwitterで共同開発されている、モバイル端末でのページを高速表示させるためのプロジェクトまたはそのフレームワークのことをさします。
利用者のサイト閲覧を背景として起こることと言えば、ネットワークが進化し、便利になればなるほどユーザーは次の利便性を求め、わがままになる傾向にあります。
例えば、サイトをクリック(タップ)して接続まで3秒かかってしまうとユーザーは離脱し、次のサイトを探しに行くと言われています。
インターネットが始まった昔のダイヤル回線時代では考えられませんね。
「何で、そこまでせっかちなの?」と思うかもしれませんが、遅い=ちゃんとしたサイトでない=良い情報じゃない。と心理的に紐つけてしまうのです。
また、ウェブの世界は様々な情報が錯乱しており、そのサイト以外でも情報が取れてしまうから次へ次へと流れてしまうのです。
そのためにもあなたのサイトのファンを作ることが本来は必要なのです。
表示速度が遅いと言うことを身近な事で例えると、自宅にお客様を招く時に玄関先を綺麗にするのと同じように表示速度は来訪されるお客様への「おもてなし」と言っていいでしょう。
おもてなしが出来ていない家や店には入りたくないですよね?歓迎されていないと思い、気分も盛り上がらない。それと同じです。
そして来訪ユーザーが良い気持ちでサイトに入ってくれるか、不安をもちながらサイトに入るかではサイト内でのアクションに大きな差が生じます。
ですので、ユーザー心理に合わせたサイト作りはマストと言えます。
ではこのAMPを導入するにはどうしたら良いのでしょうか?
従来はウェブページにアクセスするとき、リンクをクリックしてからHTMLを読み込み、ページを表示する仕組みになっています。
しかし、読み込むのには少なからず時間が生じます。
AMPでは、ウェブページのHTMLをあらかじめGoogle側でキャッシュすることで、読み込む分の時間を大幅に削減することになります。
AMPを構成する主要素としては、以下の4つがあります。
このAMP HTMLというフレームワークはオープンソースとして公開されています。
この仕様に沿ってモバイルサイトを制作することで、Googleの検索結果からリンクを開く際の表示速度を高速化することができる仕組みとなっています。
オープンソースとして公開されているため誰でも実装できるので世の中にどんどん広まっていくでしょう。
AMPを導入するにはAMPに対応した専用ページを制作する必要があります。
通常のHTMLとは異なるAMP HTMLの書式に沿ってHTMLを記述してさらに、Googleのボットに認識してもらうための構造化データを記述しておくことが必要となります。
モバイル検索結果時に特設の優遇が受けられます。
AMPに対応したページは、Googleモバイル検索の結果で、最上部に位置するカルーセル(検索結果とは別に用意された画像やスクロールなどが使えるコンテンツボックス)に掲載される可能性があります。
サイト運営者としては嬉しい限りですよね。
しかしAMPを実装すると言ってもそんなに簡単ではありません。
細かい設定やコーディングも必要になるのでそれなりの手間がかかります。
ご自分でできる方なら良いのですが、専門業者に頼むとなるとコストも発生し、それなりの金額が発生すると思います。
既存サイトを継続的に運営するには今回だけでなく、恒久的について回ることなのでそれはサイト運営者の使命と捉えて、常に準備をする気持ちが大切です。
100%上位に表示されるかと言うと確実にそうだとは言い切れません。
Googleもそこまで明言はしておりませんので、やって試すしかないのが現状です。
また、サイトの競合の多さや他サイトのクオリティによっても差が異なるので一概には言えない部分もあります。
しかし、Googleが発表している検索ランキングの順位に紐づく指標の一つにページの表示速度に関する項目はちゃんとありますので、影響がないとも言い切れません。
むしろAMPの導入による一番の効果としてあげられるのは、ページの表示速度が劇的に速くなり、ユーザビリティの向上に繋がります。
ユーザーはコンテンツが良くさらに表示速度にストレスを感じなければあなたのサイトに好感を持つのは間違いないはずです。
これはGoogleが求めていることであり、評価されて当然です。
いかがでしたでしょうか?AMPの基本的な事と必要性がご理解頂けたかと思います。
今の世の中誰でも情報サイトが立ち上げることができる時代です。
しかし、本当に世の中ためになるサイト運営者の本心で発信されているサイトはそう多くはありません。
人が多く集まるサイトを構築すればそこには企業などの広告が集まり、莫大な収益モデルになる可能性を秘めています。
昨年のピコ太郎の例でいくと、たまたまカナダ人気ミュージシャン、「ジャスティンビーバー」の興味を引き、レコメンドされたことで一気に情報拡散され、ブームを引き起こすまでとなりました。
おそらくあのコンテンツ一つの広告収入だけで数千万円は得るはずです。
このような昔の言葉で言う「アメリカンドリーム」を構想して様々な人が情報メディアを立ち上げています。
そのため目的が金儲けの人が多く、信憑性の低い情報やひどい場合は他人のサイトをコピペしているだけのサイトなどもあります。
このようなサイトを排除するためにGoogleはアルゴリズムを改善し、有益な情報サイトだけを残したい将来的な構想を持っているのは間違いありません。
Googleの志向についていけば、将来的にSEO対策などやらなくても必然的に良いサイトが上位表示することができるサイト構築が可能になることでしょう。
現在やれること、Googleが推奨しているこのAMPを実行することは上位表示に繋がる評価ポイントの一つでしかありません。
推奨されていることを実行し、ユーザーに喜ばれるサイト構成にすることで総合的に評価点を向上させることが重要となります。
ベンチマークしているライバルサイトがあるならじっくりと比較検討してみてはいかがでしょうか?